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担当:美咲(役者)

知恵豊富=チェーホフ 祭 

ちょっと苦しいおやじギャグみたいですが…。今、東京ノーヴィ・レパートリーシアターという劇団が下北沢のアトリエで日替わりでチェーホフの作品を上演しているのです。先日私は「ワーニャ伯父さん」という作品を見てきました。

台本に忠実に、間15分の休憩を挟み3時間の上演。あまりこういった大作を、ノーカット完全版で安く見れる機会もないですよね。

他にラインナップは、「かもめ」「三人姉妹」「桜の園」
チェーホフ以外にも、ゴーリキーの「どん底で」 近松門左衛門の「曽根崎心中」
など、毎日日替わりでやってます。

私は去年自分もやらせていただいた「どん底」を見たいなと思っていて、せっかくなのでこの「ワーニャ伯父さん」も見に行ったのでした。

とても丁寧な作りの会話劇なのですが、素晴らしかったのが、同じ場面の中で照明が一度も変わらない。音響も一切入らない。効果としては、一瞬入った雷の光、昼のシーンは明るく、夜になると暗めになる。それから客入れ時と客出し時の音楽だけ。派手な立ち回りなども何もなく、淡々とストーリーが続くのです。
私もともとそういう会話芝居は好きではなかったのですが、今回はとてものめり込んで見てしまいました。それはやはり、役者たちの存在感、発する言葉一つ一つの重さ。そして脚本の物語のもつ力。そういうものに感情移入できたからだと思います。
逆にストーリーや芝居自体に集中することが出来ました。

また間に暗転は何度か入るのですが、暗転て私は今まで場転だと思っていたんです。
でもこの芝居において暗転は時間の経過を表していました。無音で2秒か3秒の暗転。明転後、役者たちの立ち位置は変わっていない。でも数時間の時間が経過しているのが分かるのです。なるほどなぁと。

全ての効果や動きに意味があって。役者さんたちは本当にリアルにその場面に生きて、存在していました。このさりげなく生きることが、実はとても難しいんです。
でもだからこそ本に描かれている、人間の中の絶望感とか沸いてくる衝動とかが物凄く伝わってきて、終演後なんともいえない気持ちになりました。

とても、良いものを見ました。演劇というものをきちんと見させていただいた気分です。いろいろ言葉で教えてもらうより、見るだけで勉強になる部分が満載の芝居です。6月頭までやってるので、お時間ある方は是非見に行ってみて下さい!
おすすめです!!
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都内で活動する劇団・石神井童貞少年團の制作をしています。担当は受付・劇団ウェブサイト管理。
どうでもいいナツの日常から劇場までの道案内まで、いろいろ書いてます。定期更新じゃなくて本当にごめんなさい。