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担当:美咲(役者)

最近知り合いの芝居に行く事がすご~く多い。
しかし、忙しくてそれすらちゃんと見に行けない事がほとんど。本当申し訳ないです。

そんな中、今日は久しぶりに見に行けた。

  ピチチ5「おさびしもの」
   下北駅前劇場

「ピチチ」は、石神井第1回公演で作演をして下さった、堀川さんの主宰していた劇団「雑音舎」で私が共演させていただいた、福原充則さんという方の劇団だ。

いやこれ、とても素敵でした。
いろんな人に見せたかった。
石神井はピチチを見習ったり、反発したりしたらいいかもとか思う。

ピチチのレギュラーメンバーはおじさんが多い。
そして台本は下ネタもかなり入った、切ない人たちの話。
よく出てくる人物設定は、例えば30~40代のフリーターでレンタルビデオ店や牛丼屋で何年もアルバイトしていたり、うだつが上がらず営業まわりの時間をどうにか潰しているサラリーマンだったりする。

この思わず共感してしまう妙な日常感は絶妙だといつも思う。
福原さんは役者さんとしてもすごくうまくて面白かったけど、最近は作演に専念しているみたい。小さな日々のエピソードを、鬱屈して溜まったエネルギーを、広げて広げてものっすごい壮大な妄想へと繋げていってしまうような、そんな話を書かれる。
そして役者さんたちがまた素晴らしいんです。
とにかくパワフル。ものっすごいくだらないことを、いい年した大の男が汗だくで必死でやって下さるのです。

福原さんの本はなんていうか、後ろ向きだ。そんでもってとても赤裸々。
いいことなんて何もない。やりたくないバイト先に長年勤めてリーダーになった。自給が50円上がった。つまらない毎日。将来の夢も希望もない。それが人生。
そんな中で救いは、微妙に可愛いあの子に恋をすること。何故ならばあの子は自分には丁度いいレベルだから。自分が少しセクハラしたいのと、あの子がセクハラされて許せる範囲が一緒くらいだから。暇だから恋をする。暇だからオナニーをする。いやらしいことくらいしか楽しい事なんて思いつかない。
何だか救いのない感じですが、いつもの日常から突然飛び出した主人公の妄想が爆発し現実が激情に巻き込まれ、解決しない想いが昇華された錯覚に陥り物語は幕を閉じる。
なんかこんな感じ。
しかし演出はきっととても繊細です。きっとね。
細部にこだわって理不尽でとりとめない話を妙な説得力のある流れでまとめるからです。

とにかく赤裸々だから心に響いてしまうのと、あと仕掛けが面白い。
今日見たのは、話の中盤に車が壁からつっこんできたのと、オーラスでチャリンコがつられて宙をまっていました。

しかしなんだろね。何はともあれお客さんを楽しませようという心意気とそれを体現する技術がとても高くて勉強になるのです。あとね、気持ちが最高に高まった瞬間にカットインの大音量で流れるクラッシク音楽とか、でもセリフはひたすら下ネタだったりとか、長ぜる瞬間役者さんが自分で自分のサスライト自分に当てに動かしたりとか、自分でドライヤーのスイッチ入れて向かい風おこしたりとか。アイデアがいっぱいで気持ちいいのです。さらに、童貞的な要素がいっぱいつまっているような気がして、そういう意味でも参考にさせていただきたいです。

てなわけで、今日はよい観劇日和でした。
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都内で活動する劇団・石神井童貞少年團の制作をしています。担当は受付・劇団ウェブサイト管理。
どうでもいいナツの日常から劇場までの道案内まで、いろいろ書いてます。定期更新じゃなくて本当にごめんなさい。